宇都宮遊廓

宇都宮遊廓は栃木県宇都宮市河原町(かわはらまち)に在つて、東北本線宇都宮駅で下車する。乗合自動車の便がある。

宇都宮は下野第一の都市で、維新前は戸田氏の城下だつた。宇都宮城は、今は城址丈けに成つて居るが、宇都宮釣天井で有名に成つた処で、市も其れが為めに人々に知れ渡つた処である。師団司令部、下野製紙工場、日清製粉工場、二荒山神社等があつて市は大繁昌である。日光行の鉄道は茲で分れて居る。貸座敷は目下十五軒あつて、娼妓は約百二三十人居るが、栃木福島埼玉県等の女が多い。店は写真店で、娼妓は居稼ぎ制、遊興は廻 し制で通し花は取らない。費用は御定りが三円位で台の物が附き、一時間遊びは一円位である。