古河町遊廓

古河町遊廓は茨城県古河町(こがまち)字横山町にあつて鉄道は東北線古河駅へ下車すれば自動車の便があり、横山町で下車すればよろしい。

古河は利根川上渡良瀬川と思川との合流点にあつて、昔から古い歴史を持ち、上杉憲栄氏から足利成氏の後、古河公方に至る迄、関東の中心地として威を振つて居た処である。現在賃座敷は六軒あつて娼妓は約三十人位居る。店は陰店制で娼妓は全部居稼ぎ制であり重に東北人が多い様である。御定りは三円で酒が一本附いて一泊が出来る。二円五十銭でも又は一時間なら一円五十銭位から二円位でも遊べる。附近に古河公方の御所地址がある。