横浜青木町遊廓

横浜青木町遊廓は神奈川県横浜市青木町(あおきちょう)字反町に在つて、東海道線東神奈川駅から南へ約四丁、市電は只の一丁場だから敢て乗る程の事は無い。

今は横浜市の中に編入されて居るが、昔は青木町辺一帯から、今東神奈川駅のある辺を神奈川宿と云つた処で、五十三次の一だつた。恰度野毛山のふもとに当つて居て、昔は直ぐ傍らで海の波頭が白く砕けて居た処だつた。今の遊廓は此の国道筋の宿場から移転して来たもので、妓楼は目下二十三軒あつて、娼妓は約百七十人程居る。店は写真店であり乍ら陰店を張つて居て、娼妓は全部居稼ぎ制、遊興は全部東京式の廻し花制である。費用は一時間遊びが一円二三十銭位、御定りは二円五十銭位、本部屋は四五円位からである。