堀の内遊廓

堀の内遊廓は静岡県堀の内町字堀の内にあつて東海道線堀の内駅で下車し、南方約四丁位の処にある。

妓楼は総計四軒あつて、娼妓は全部で二十五人居り全部居稼ぎ制で。送り込みはやらない。制度は陰店制で全部東京式の廻し制、遊興費は本部屋の設備がないので全部廻し部屋に成つてゐる。一泊が一切含みで四円二十銭(遊興税席料共)二時間遊び三円二十銭一時間遊びは一円七十銭位である。気に入つた娼妓が居なければ娼妓を揚げない代りに席料とし て五十銭払へばよい事に成ってゐる。

此の土地には芸妓は居るが遊廓にはめったに入らぬ様である。妓楼は、金波楼、南海楼、開春楼、松井楼、の四軒だ。