郡山東岡遊廓

郡山東岡遊廓は奈良県生駒郡郡山町字東岡に在つて、関西線郡山駅の東南約七丁の地点に当つて居る。乗合自動車の便もあつて、郡山停留場から南へ約三丁である。茲も矢張遊廓に成つて居て、揚屋(貸座敷)が二十一軒娼妓が全部で百九十人居る。茲は総て大阪式で、置屋から娼妓を揚屋へ呼んで遊ぶのである。従つて廻しは一切取らずに全部時間制又は仕切制に成つて居る。午前八時から正午迄五円、正午から日没迄七円、日没から十二時迄七円、十二時から翌朝七時迄が六円と云ふ事に成つて居る。遊興税は一円に就き金八銭の割。此の辺では一帯に、娼妓の事を「おやま」又は「子供衆」と呼んで居る事は奈良と同様である。台の物は一切此れと別勘定に成つて加算され心から注意せねばならない。妓楼は、旭楼、今村、竹島、藤近、千歳、大阪楼、都楼、笹の屋楼、寿楼、岡吉楼、ヨカロー、揚喜楼、御多福楼、河卯楼、宝山楼、駒川楼、恵美須、第三清月、錦水楼、清月楼、宝栄楼、等がある。