明石市東本町遊廓

明石市東本町遊廓は兵庫県明石市東本町(ひがしほんちょう)字新地(しんち)に在つて、山陽線明石駅から南へ約五丁の地点に五る。明石は松平氏の旧城下で、人口は約四万、歌聖柿本人丸を祀つた人丸神社は今は遊園地に成つて居る。明石城址、明石神社等があつて、淡路島を眼下に見下して景色がよい。明石鯛、明石章魚等が名産。妓楼は目下十四軒あつて、娼妓は百三十人居る。店は写真店で陰店は張つて無い。娼妓は全部居稼ぎ制で、送り込みはやらない。費用は一時間遊びが二円で、宵から引け迄は四円位、引過ぎからの一泊は三円五十銭位である。台の物は別だ。妓楼は、千歳楼、西栄楼、栄楼、遊楽楼、一力、いろは、山本、可祝、金波、錦松、三州、尾西、花月、末広の十四軒。名物には丁推羊羹、分大餅等がある。