佐賀関町遊廓

佐賀関町遊廓は大分県佐賀関(さがのせき)町にあつて、汽船は大分から発着して居るし、汽車は日豊本線大在駅ヘ下京して、東方ヘ約三里十七町の位置で佐賀関海峡に面した処にある。

昔神武天皇御東征の時には、此地に椎根津彦が居て東征船隊の前軍となつて偉功を奏した処だ。其の遺蹟は、今は速吸日女神社となつて居る。目下貸座敷は四軒あつて娼妓は約三十人位居り、店は陰店制及写真制の両制となつて居る。御定りは一時間二円位で、一泊なら酒肴付五六円見当である。客は一人一客主義で廻は取らないから比較的ゆつたり出来る。