咸興花咲町遊廓

咸興花咲町遊廓は朝鮮咸鏡南道咸鏡街花咲町(はなさきちょう)にあつて、汽車は京元線元山駅から咸鏡線に乗換へ、咸興駅で下車する。咸興は元山に次ぐ咸鏡南道の都邑で、南部にある西湖津は咽喉に当つて居る。現在貸座敷数は約十軒、娼妓は百二十人位居て、内地人と朝鮮人、と半々位である。店は陰店を張つて居り、遊興は時間制で通し花制であるから廻しはとらない。御定り一泊は芸妓、七円娼妓六円が相場で全部本部屋になつて居る。廻し部屋はない。酒肴は酒一本肴二附品である。鑑札には一枚と二枚鑑札とあつて、此の地では特に二枚と呼んで居る。